景気循環とは(株価にはサイクルがある)

時間がない人のために3行でまとめると

景気は良い状況と悪い状況をくりかえす。
景気循環の周期は約4.4年
景気の低迷は優良企業の株を割安で買えるチャンス!

景気・株価にはサイクルがある

景気循環と株価

景気とは

みなさんは普段『景気』という言葉を聞いたことがありますか?
『景気』とは、モノの売り買いや、会社同士の取引などの経済活動の状況をあらわしたものです。

例えば、『景気が良い状況』(これを好況または好景気といいます)では、みんなが車や家電などのモノを多く買います。すると、モノをつくる会社も多く売れるから、モノをつくるための機械を増やします(これを設備投資といいます)。そうすると、その機械をつくる会社も、注文が増えるので大忙し、売る上げもアップし、そこで働く人たちの給料も上がります。
給料が上がった会社の人たちは、使えるお金が増えたので、いろいろなモノを買えるようになりました。

このように、世の中のお金がうまく循環すると『景気が良い状況』といえます。

では、『景気が悪い状況』(これを不況または不景気といいます)ではどのようになるのでしょう。
今度は先ほどとは逆にみんながいろいろなモノを買わなくなってしまいます。すると、会社もモノが売れないのでモノをつくる機械を減らします。そうすると、その機械をつくる会社も仕事がなくなってしまうので、売り上げがダウン、そこで働く人たちの給料は下がってしまいます。お給料が減ってしまうと、人は必要最低限のモノしか買わなくなり、モノが売れなくなります。

これは、先ほどの『景気が良い状況』とは違い、世の中のお金がうまく循環しない(とどこおる)状況といえます。

好景気と不景気

これは人のカラダで例えることができます。
世の中のお金を”血液”とすると、”血液”がサラサラ(世の中のお金が循環する)の人は全身にうまく血液がいきわたり健康なカラダ(好景気)になります。
逆に”血液”がドロドロ(世の中のお金がとどこおる)だと血液がうまくいきわたらず、その人は病気(不景気)になってしまいます。

景気にはサイクルがある

ここまで、景気が良い状況となる『好景気』と、逆に悪い状況となってしまう『不景気』があることがわかりました。
私たちにとっては、給料が上がってくれる『好景気』の状況が続くのがいちばん良いですよね。
でも、世の中そうはうまくいきません。

この景気には好景気→不景気→好景気というように一定のサイクル(くりかえすことです)があります。ようするに「よくなっていけばそのうち悪くなる」「悪くなっていくとそのうちよくなる」というわけです。

さらに詳しく

景気のサイクルは景気循環とも呼ばれ、そのサイクルをさらに細かく分解すると『好況→後退→不況→回復』という4つの景気が順番にあらわれます。
なぜこのように景気のサイクルがあるのかはいろいろな説があります。
説のひとつとして、会社の在庫が原因である説があります(これをキチン循環といいます)。
例えば、スーパーでは景気が良いとき、モノがよく売れるので大量に商品を注文し、品切れしないように在庫の数を増やします。しかし、ひとたび売り上げが減ってしまうと、スーパーでは在庫を多く持たないように、商品の注文を減らすようになります。スーパーが注文を減らしてしまうと、その商品を作っている会社の売り上げが下がり、そこで働く人の給料が減ってしまい、経済のいきおいが弱まっていくのです。

景気サイクル

景気と株価の3つの習性

景気・株価には次の3つの習性があるといわれています。

・サイクルの周期は平均で4.4年。拡張期は2~4年、後退期は1~2年となることが多い。

・株価は景気に対して0~1年程度先行して動くことが多い。

・高い山→深い谷→低い山→低い谷→高い山・・・というサイクルを繰り返すことが多い(山谷高低の法則)。

参考文献:株式投資の学校[ファンダメンタルズ分析編] ファイナンシャルアカデミー編著

サイクルの周期

ここでのサイクルの周期とは『好況→後退→不況→回復』と続きまた好況となるまでの時間です。
この4.4年は、内閣府が経済指標(経済に関する統計。景気の良し悪しがわかる)と専門家の意見を参考に認定した景気循環を元にしています。
内閣府の認定した景気循環は1951年から2012年めでの61年間で景気は14回のサイクルを記録しています。平均するとサイクルは4.4年になるということです。

株価と景気

株価は景気にほぼ連動して動きますが、株価が平均半年ほど先行して動くことが長年の習性としてわかっています。

山谷高低の法則

景気や株価の変動は昔から「山高ければ谷深し」ということがいわれています。
これは、景気が拡大して、株価が高く上昇すると、そのあとの景気後退では景気の谷がかなり深くなるといわれるものです。
実際に、日本の景気変動でも同じように動いています。例えば、1989年にピークを迎えたバブル景気(ディスコとかで踊ってたあの時代です。)では、日経平均株価が史上最高値の3万8957円を付けるまで上がりました。しかし、その後2万円台まで暴落し「失われた10年」と言われるような長期の低成長経済に突入してしまいます。

最近の景気循環

では、実際に最近の日本の景気循環はどのように動いているのか見てみましょう。
2000年に入ってからの景気の山谷と日経平均株価を以下の図にまとめました。

最近の景気サイクル

3つの習性にある『山谷高低の法則』がはっきりとわかります。
2000年のはじめは当時一般の人にも使われ始めていたインターネットがブームになり、
インターネット関連の会社の株が多く買われ高い山をつくっています。(のちにITバブルといわれています)その後の、ITバブルの崩壊で深い谷となっています。また、2007年には世界的な住宅バブルの影響で高い山をつくっています。その後、2008年リーマンショックが起きてこちらも深い谷となりました。

2013年以降はアベノミクスの影響もあり株価はみごとに高い山をけいせいしています。
現在は、16000円台まで下げていますが、この後『山谷高低の法則』通りずるずる下がり続け深い谷となってしまうのかは誰にもわかりません。しかし、過去の例のとおり「高い山の次は深い谷」ということは心がけておいたほうが良いかもしれません。

投資家が心がけること

実際に投資をする場合も、景気循環には注意が必要です。
2012年末にはじまったアベノミクスによる株高についても4年経過した現在に至っては株価が下降気味になっています。
もちろん、日銀による金融緩和策などにより今後株価を上げる可能性もあります。
しかし、過去の経験則からして大きな株価上昇の後には株価の下落があることは心がけておきたいですね。

でも、景気の深い谷は困ったことばかりではありません。
景気の深い谷になった場合、投資家の多くは「これからもっと株価が下がるのでは?」という不安から業績が良く、業界でも1位、2位の会社の株が売られてしまいます。
そのような時こそ、優良企業の株を割安な価格で買えるチャンスなのです。
景気の深い谷の後にも、いづれ景気の回復はやってきます。
景気が悪い時に株を買うことは非常に勇気がいることです。
しかし、景気の低迷による株価の下げをチャンスととらえ株を買う人が資産を作ることができるのです。

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