日銀はなぜ2%の物価上昇率を目指すのか?[購買力平価説とは]

 

今日は物価上昇率の話。

昨日、日銀の金融政策決定会合で新たな金融緩和策が導入されました。

その中の政策に

消費者物価上昇率の実績値 が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針 を継続する「オーバーシュート型コミットメント」

があります。

これは「物価安定の目標」の2%を超えるまで、金融緩和を続けますよ!という政策です。

日銀は2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています

しかし、大規模金融緩和から一向に物価上昇率は2%を超えず、物価上昇の目標達成時期を先延ばしにしてきたので、また文句を言われる前に「2%を超えるまでやるぞ!!」と宣言したかたちですね。

ここでふと疑問が。。

日銀はなぜそこまで2%の物価上昇率を目指すのでしょうか。。。

2%のマジックナンバーの謎を探ってみましょう。

消費者物価ってなに?

上にも書いた通り、日銀は「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定めています。

ここで、消費者物価とは何か調べてみましょう。

消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)

消費者が購入する段階での商品の小売価格を対象とした指数。一般消費者(家計)が購入する商品やサービスの価格変動を表した指数で、消費税を含んだ価格で集計されている。調査結果は経済施策や金融政策、年金額改定などに利用されている。

日本は15年以上、物価が連続的に下落するデフレ状態にあります。

デフレは経済に悪い影響を及ぼします。

①物価が下落すると、商品を売っても企業の収益が減る

②収益が減るとそこで働く人の給料が減る

③給料が減ると物(商品)を買わなくなる。

④企業は物(商品)が売れないので値下げをする。

この①→②→③→④→①・・・を繰り返すことをデフレスパイラルと言います。

物価の安定はあらゆる経済活動や国民経済の基盤となります。

そのため日銀は物価の上昇のためにあらゆる金融政策を行っているのです。

2%の物価上昇率を目指す理由

1.欧米各国の中央銀行が2%をインフレ目標としているから

ではなぜ日銀が2%の物価上昇率を目標としているのか?

それは欧米各国が物価上昇率の目標を2%としているからです。

以下に各国のインフレ目標をまとめてみました。

  インフレ目標
日本 2%
米国 2%
ユーロ

2%を下回りかつ2%近傍

カナダ 2±1%
スウェーデン 2%
オーストラリア 2~3%

内閣府資料より筆者作成

いかがでしょう。

いずれも2%を目標にしているのがわかりますね。

2.物価上昇率が低いと円高になる(購買力平価説)

ここで各国のインフレ目標が2%であることはわかりました。

ここで「物価の安定」が目標なら物価上昇率の目標を1%にするのではダメなのでしょうか?

1%の方が現実的なような気がします。。

でも結論から言うと、1%ではダメなのです。

理由は物価上昇率1%を達成できたとしても、他国の物価上昇率より低い場合は、円高が進み経済に悪影響があるからです。

これは「購買力平価説」という説により説明できます。

「購買力平価説」とは

物価上昇率が継続的に高い方の国の通貨は、物価上昇率が低い方の国の通貨に対しての価値が下がるとされる説です。

なので、金融政策により物価上昇したとしても、その上昇率が他国より低ければ円高になってしまいます。

円高は日本の主要な輸出産業に大打撃を与えます。(トヨタ自動車の場合、1円の円高で300億円の利益が減ると言われています。)

昨今の市場では円高に連動して日経平均も下げることがしばしばです。

なので、日銀は物価上昇率の目標を、他国のインフレ目標と同じ2%としているのです。

まとめると、日銀の物価上昇率2%の理由は

1.他国の中央銀行がインフレ目標を2%としているから

2.購買力平価説より、他国より高いor同じ程度の物価上昇率でなければ円高に進むから

となります。

おわり

 

 

 

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