日銀の金融政策決定会合から学ぶ「イールドカーブ」

 

本日、日銀が開催していた金融政策決定会合にて新たな金融政策の内容が決まり、

午後発表がありました。

発表後は、市場の予想通りマイナス金利の深堀りはなく銀行・生保株が買われるなどし、

日経平均は前日比+315.47円と大幅な上昇となりました。

市場でも金融政策は好感された結果となりました。

今回は、投資初心者でもある私がこの決定会合の結果を読み、よくわからない用語を解説していきながら、金融緩和策を解説していこうと思います。

新たな金融緩和策とは

本日、発表された金融緩和策の内容は以下となっています。

以下は原文のままです。

日本銀行は、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、上記2つの政策枠組みを強化する形で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入することを決定した。その主な内容は、第1に、長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」、第2に、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針 を継続する「オーバーシュート型コミットメント」である。

決定の内容は日銀のHPでも見ることができます。興味のある方はこちら

つまり、今回導入する長短金利操作付き量的・質的金融緩和は

目的として:物価の安定を目的とし、消費者物価上昇率が2%という「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現する

第1の政策「イールドカーブ・コントロール」:長短金利の操作を行う

第2の政策「オーバーシュート型コミットメント」:消費者物価指数が2%を超えるまでマネタリーベースの拡大を継続する

の二本の政策となります。

 

第1の政策「イールドカーブ・コントロール」

第1の政策「イールドカーブ・コントロール」について、

ここではまずイールドカーブとはなんぞや?という人(←私)のためにイールドカーブの説明をします。

イールドカーブをググると以下のような説明がありました。

イールドカーブ

横軸に債券の残存年数(残存期間)、縦軸に最終利回りをとった座標に、各債券の残存年数と最終利回りに対応する点をつないだ曲線のこと。
イールド(yield)とは利回りを指す。 野村証券HPより https://www.nomura.co.jp/terms/japan/i/y_curve.html

横軸に残存期間(債券の償還日”額面金額での買い取り”までの期間)

縦軸に利回り(投資金額に対する1年間の利息の割合)をとって、その関係性をグラフ化したものですね。

これで、償還期間が異なる複数の債券の利回りの変化をグラフ化することができます。

通常、他の条件が同じ債券で比較した場合は、残存期間の長い債券ほど利回りが高くなります。(←イールドカーブは右上がりの曲線)

これを順イールドといいます。

逆に残存期間の利回りの方が短い場合、イールドカーブは右下がりの曲線となり、

これを逆イールドといいます。

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イールドカーブのことがわかったところで、今回の政策について

「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」とある通り長期・短期の金利を操作します。

以下はその具体的な内容です。

短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適 用する。

長期金利:10 年物国債金利が概ね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、長期 国債の買入れを行う。買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保 有残高の増加額年間約 80 兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよ う運営する。買入対象については、引き続き幅広い銘柄とし、平均残存期間 の定めは廃止する。

短期金利については-0.1%のマイナス金利政策が継続となりました。

今回、マイナス金利の深堀りがあるか?とメディアで騒がれていましたが結果継続となり、

銀行・生保株が高騰しました。

(銀行は預金で集めたお金で国債を購入し利益を上げています。マイナス金利により市中金利が低下すれば銀行の利益が減ってしまします。今回、マイナス金利の拡大がなかったので銀行の経営悪化懸念が減り株価が上がりました。)

次に長期金利について

長期金利は10年物国債金利を現状と同じ0%程度で推移するよう、長期国債を買い入れるという内容です。

これはいわゆるイールドカーブのフラット化への是正です。

フラット化とは短期-長期の金利差が小さい(イールドカーブの傾きが小さい)状態です。

その逆はスティープ化で短期-長期の金利差が大きい(傾きが大きい)状態です。

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ロイターによるとイールドカーブのスティープ化は銀行ではポジティブだと言われています。

一般的に銀行収益にとって、イールドカーブのスティープ化はポジティブだ。商業銀行のビジネスモデルは、短期調達/長期貸出が典型であるためだ。

ロイター http://jp.reuters.com/article/focus-bank-boj-idJPKCN11R0ZS

ここにもあるように、イールドカーブのスティープ化は銀行にとってはポジティブです。

マイナス金利によりただでさえ収益に打撃を受けている銀行業にとって、イールドカーブのフラット化はさらなる大打撃となります。(上にもある通り銀行収益は長期貸出がメインなのでフラット化による長期金利の低下は銀行収益を悪化します。)

なので、短期金利としては現状のマイナス金利を継続しつつ、イールドカーブのフラット化を是正するため、10年物国債の金利を0%程度になるよう国債を買い入れるのです。

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以上、今回はイールドカーブについて書いていきました。

次回は日銀の「総括的な検証」の内容を見て書きたいと思います。

おわり

 

 

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